『クスクス粒の秘密』 La graine et le mulet
(2007年/フランス)
南仏の港町セートの港湾労働者スリマーヌは初老のチュニジア移民。前妻スアドや家族たちから疎まれ、恋人ラティファの経営するホテル住まいの身だ。ラティファの娘リムは彼を実の父親のように慕っている。そんなスリマーヌがリストラの憂き目にあう。彼は廃船を買い取って、スアドが作るクスクス料理を出す船上レストランの開業を決意。だが銀行は融資を渋り、役所の許可も下りない。
彼は関係者を納得させようと、プレ・オープンの試食会を開く。家族総出の協力で準備は整い、パーティは盛り上がる。ところがメインディッシュを出そうとした時、炊きたてのクスクスを積んだ車が消えていた。今から炊いたのでは1時間以上かかる。酒で時間稼ぎをするが、メインのクスクスが出ないことに招待客は苛立ちはじめる。そこでリムが思いついた窮余の一策とは…。
監督・脚本: アブデラティフ・ケシシュ |