『ウエイト 呪われし存在の重さ』 The Weight
(2012年/韓国)
チョンは、遺体安置所の職員。結核と関節炎の薬が欠かせない。しかし彼にとって遺体は、ていねいに洗って美しく化粧を施し衣装を着せて仕上げる一つの高貴な作品ともいえる。彼は遺体と対面する最後の生きた人間として、彼らをモデルに絵を描き想像をふくらませるのだが、それは彼にとって生きる喜びでもあった。 脊椎後湾症で生まれ孤児院に放置されたチョンは、ドレスショップを経営する女性の養子として育ったが、それは奴隷のようにこき使われるためだった。しかしそこで義理の弟ドンベと出会う。ドンベは性同一性障害で女になることを熱望していた。二人はやがて共感と愛情を抱くようになる。
ドンベの性転換手術の費用として、ときには違法な稼ぎのほとんどを貯金するチョンだったが、荒れた生活をして投げやりになるドンベとの関係は愛憎半ばするものでもあった。そんなある日、ドンベがチョンのもとに運ばれてくる。チョンはドンベのために、最大最高の贈り物を静かに準備するのだった…。
監督・脚本: チョン・ギュファン |